2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規アレニルセレノニウム塩を用いた反応性の制御と不斉反応への応用
Project/Area Number |
16659007
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
片岡 貞 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00082975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 真一 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (40275095)
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Keywords | アレン化合物 / アレニルセレノニウム塩 / マイケル付加 / フラン / ジヒドロフラン / 異性化 |
Research Abstract |
アレニルセレノニウム塩の合成について、著者らはメチル(3-フェニルプロパ-1,2-ジエニル)セレニドを塩化メチレン中低温でメチルトリフラートと処理するとことではじめてアレニルセレノニウム塩の単離に成功した。しかしこの塩は非常に分解しやすく長期の保存には不向きであった。そこでより安定はアレニルセレノニウム塩を目指し、アレニル基上の1位に置換を有する塩合成を行った。すなわち、1-プロピニルマグネシウムブロミドにセレン単体を反応させ、続けてヨウ化メチルでメチル化することでメチル(1-プロピニル)セレニドを高収率で合成した。次にLDA存在下ベンジルブロミドと処理することで2-(メチルセレノ)-2,3-ブタジエニルベンゼンへ変換した。これをエーテル中メチルトリフラートと反応させることで、1-ベンジルアレニル基を有するジメチルセレノニウム塩の合成に成功した。このセレノニウム塩は非常に安定な結晶であり、室温で長期間保存が可能であった。 塩基存在下、3-フェニルアレニルセレノニウムトリフラートとアセチルアセトンとのマイケル付加反応よりフラン誘導体が生成することを既に報告したが、NMR測定及び生成物の骨格変換などにより得られた生成物はフランではなくその前駆体であるジヒドロフラン誘導体であることが判明した。得られたジヒドロフラン体を塩基としてDBUと処理するとフランへ異性化を起こした。一方、酸触媒としてp-トルエンスルホン酸と反応させると、フランへ異性化を起こした生成物に加え、一部ベンジル位の酸化がされた化合物も得られた。一方、新規に合成された1-ベンジルアレニルセレノニウムトリフラートと活性メチレンカルバニオンとの反応は、ジヒドロフラン体を与える代わりにフラン誘導体が得られた。
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