2004 Fiscal Year Annual Research Report
膜蛋白から膜蛋白へどのようにして情報が伝達されるのか?
Project/Area Number |
16659010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加茂 直樹 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (10001976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 正二 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (30202352)
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Keywords | phoborhodopsin / レチナールタンパク / 走光性 / 蛋白間相互作用 / 等温滴定型熱量計 / 水素結合 / Natromonus pharaonis |
Research Abstract |
pharaonis phoborhodopsin(ppRと略す.Natromonus pharaonis sensory rhodopsin II, NpSRIIとも称せられる)は,N.pharaonisの細胞膜に存在するレチナールを発色団とする7回膜貫通型タンパクである.この色素タンパクは,約500nmに吸収極大を持ち,光で励起されるとこの菌体はこの光から逃げると言う負の走光性を示す.ppRは膜中でpharaonis halobacterial transducer II (pHtrII)という2本の膜貫通ヘリックスをもつタンパクと相互作用をしている.我々は以前に,この両者の結合の解離定数は約0.1μMの強い結合であることを明らかにした.この解離定数は等温滴定型カロリメトリー(isothermal titration calorimetry, ITC)を用いて求められたものである.また,我々はppRとpHtrIIがが結合すると,ppR単体よりも熱安定性が増すことを発見した.この方法はっ結合の解離定数を算出するというような定量的な議論は出来ないが,結合するか否かを簡単に判定出来る.今年度はITCの使用や熱安定性を指標に,2つのタンパクでの相互作用部位を検討した.その結果,ppRのY199とpHtrIIのN74との水素結合,ppRのY199とpHtrIIのF28とのベンゼン環の相互作用,ppRのT189とpHtrIIのS62およびE43との2本の水素結合が重要であることを,ITCや熱安定性測定の方法で明らかにした.また,ppRとpHtrIIとの細胞内ドメインの相互作用の存在を示した.来年度は,これらの結合部位を介しての情報伝達機構の解明を行う.
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