2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659025
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
辻本 雅文 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 主任研究員 (00281668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 明 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 先任研究員 (50300893)
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Keywords | アミノペプチダーゼ / 脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼ / 白血球由来アルギニンアミノペプチダーゼ / 血管新生 / HuVEC / インターフェロン-γ |
Research Abstract |
脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼ(A-LAP)のヒト臍帯血管内皮細胞(HuVEC)における機能を検討した。まず、HuVECにおけるA-LAPの細胞内局在を検討した。これまでにHuVECではA-LAPは細胞膜画分に存在している報告されていたが、我々の解析の結果、A-LAPはHeLa細胞などと同様にHuVECにおいても小胞体内腔で可溶性タンパク質として存在していることが明らかとなった。次に、A-LAPの遺伝子発現調節について検討した。その結果、HuVECにおけるA-LAPの発現は血管内皮細胞増殖因子(VEGF)によっては影響を受けなかったが、インターフェロン(IFN)-γによって亢進された。IFN-γは血管新生を抑制することが報告されている。そこで、A-LAPの過剰発現によるHuVECの細胞増殖や管腔形成能へ及ぼす影響を検討した。その結果、いずれにおいても有意な抑制効果が認められた。このことから、HuVEC実験系を用いた血管新生においては、A-LAPは抑制的に働いていることが明らかとなった。 高血圧症との相関が指摘されているA-LAP遺伝子の一塩基多系型変異体(Lys528Arg A-LAP)の酵素学的性状について解析した。その結果、Lys528Arg A-LAPでは野生型に比べて顕著に酵素活性の低下が認められ、他の一塩基置換変異体は野生型とほぼ同様の活性を示した。このことから、528番目のLysが酵素活性に重要であり、Argへの置換による酵素活性の低下が、高血圧症発症の一因になっている可能性が示唆された。血管新生においてもA-LAPの酵素活性の関与の可能性が報告されている。今回、多系型変異体酵素の大量発現系を確立できたことで、遺伝子型に基づいた特異的阻害剤のスクリーニングが可能となった。
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Research Products
(6 results)