2004 Fiscal Year Annual Research Report
生物情報科学を活用した新興ウイルス性感染症に対する化学療法剤の実践的開発戦略研究
Project/Area Number |
16659029
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 信孝 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60109014)
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Keywords | SARS Corona Virus / Bioinformatics / 膜融合阻害剤 / SARS CoVゲノム / defensin / 比較ゲノミクス / Nelfinavir / X-EE-XX-KK配列 |
Research Abstract |
申請者らは独自のSARS Corona Virus(SARS CoV)ゲノムのBioinformaticsを用いた比較ゲノミクス研究からSARS CoVゲノムとHIVゲノムの高い相同性を見出し、抗HIV剤の開発研究を応用して下記の研究を実施した。 I.HIV-プロテアーゼ阻害剤Nelfinavirの作用機序解析と新規抗SARS-Co.V剤の開発 SARS CoVゲノム中にコードされているAsp-Thr-Gly配列に着目し、各種のHIVプロテアーゼの抗SARS活性を評価したところNelfinavir(商品名Viracept)にIC50=40nMの高い活性を認めた。本研究ではNelfinavirの作用機序(標的蛋白質)の化学的同定を目的とした研究を実施した。 II.人好中球由来生体防御ペプチド、defensin、の抗SARS活性評価と作用機序解明 申請者らが1992年抗HIV性の内因性物質として同定していたヒトalpha-defensinが顕著な抗SARS CoV活性を有することを見出した。自然免疫系を司る一連の化合物の内、本物質のみが顕著な抗SARS.Co.V活性を有することから、その作用機序の解析研究を実施中である。 III.SARS-Co.V-Host Cell膜融合阻害剤の開発 他のコロナウイルスゲノム情報との相同性検索やアミノ酸配列の二次構造予測等のバBioinformatics的な手法を用いて同定した配列に対して、申請者らが独自に開発し、強力な抗HIVペプチドの創製に成功した「α-helixを二つの面に分割してX-EE-XX-KK配列を導入する」という方法論を適用し、X-EE-XX-KKフレームをずらして導入したペプチドを合成し、新規SARS-CoVペプチドの開発研究を行い強力な抗SARS CoV活性を有する一連の化合物を見いだした。
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Research Products
(6 results)