2004 Fiscal Year Annual Research Report
siRNA法による全メタロチオネイン分子種発現抑制細胞の作成
Project/Area Number |
16659034
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永沼 章 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80155952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久下 周佐 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (50186376)
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Keywords | メタロチオネイン / siRNA / 遺伝子ノックダウン / 分子種特異的発現 / カドミウム / ヒト由来細胞 |
Research Abstract |
ヒト体内に蓄積したカドミウムの大部分は生体防御蛋白質メタロチオネインと結合することによってその毒性発現が抑えられている。ヒトのメタロチオネインには10種以上の構造的に類似する分子種が存在するが、このように多くの分子種が存在する意義は全く分かっていない。この疑問を解くためには、全てのメタロチオネイン分子種を欠損したヒト由来細胞が研究材料として必須である。そこで、本研究では全てのメタロチオネイン分子種の発現が抑制されたヒト培養細胞をsiRNA法を用いて樹立すると共に、本細胞に、siRNAによって認識されないように工夫を凝らしたメタロチオネイン分子種の遺伝子を一つずつ発現させて、それぞれの分子種の機能の比較を可能とすることを目指した。 全メタロチオネイン分子種に共通して存在する複数の塩基配列部分をそれぞれ含む種々のsiRNA発現プラスミドを構築し、それらを個々にヒト由来培養細胞に導入し、リアルタイムPCR法によって全メタロチオネイン分子種の発現程度をそれぞれ調べることによって、最も効率良く全てのメタロチオネイン分子種の発現を抑制するsiRNAを選択した。このsiRNA発現プラスミドを用いることによって、恒常的にsiRNAを発現する細胞株を得ることに成功した。この細胞が保持するメタロチオネイン分子種の発現は全て、有意に減少していることが確認され、また、本細胞はカドミウムに対して高い感受性を示した。この細胞中にメタロチオネインIまたはIIを単独で発現させることにも成功し、メタロチオネイン各分子種の作用検討に利用可能な細胞株を樹立することができた。
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