2004 Fiscal Year Annual Research Report
新しい視点に立った内分泌撹乱物質の毒性発現メカニズムの解析-アラキドン酸代謝系の関与-
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16659035
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
工藤 一郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (30134612)
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Keywords | cPGES / ノックアウトマウス / 胎生致死 / アラキドン酸代謝 / 分子シャペロン / sPLA2 / 精子 |
Research Abstract |
当教室ではこれまでに、分泌型ホスホリパーゼA2(sPLA2)のうち、いくつかの分子種が齧歯類の男性生殖器に高発現していることを見いだした。本年度は、精子における発現様式を免疫染色解析した。その結果、IID-sPLA2は体部、IIF-PLA2は尾部、V-sPLA2とX-sPLA2は頭部に主に発現していることを明らかにした。それぞれのsPLA2分子種が精子内の異なる部位に局在することは、それぞれの酵素が異なった局面で機能することを意味していると考えられ、興味深い。今後はそれぞれの遺伝子破壊マウスを樹立し、解析する予定である。 プロスタグランジン(PG)E2生合成経路の最終段階を触媒する酵素である細胞質型PGE合成酵素(cPGES)を同定し、シクロオキシゲナーゼ(COX)-1と機能連関して即時的PGE2産生に関与することを明らかにしてきた。一方、cPGESはコシャペロンタンパク質であるp23と同一分子である側面も有しており、本年度の研究では、cPGESの生体内機能を解明するためにcPGES-/-マウスの樹立を行った。その結果、cPGES+/-マウスは正常に発育し生殖能力にも異常は見られなかった。しかし、cPGES+/-同士を交配した結果、cPGES+/+とcPGES+/-はほぼ1:2の比率でメンデル律に従って生まれたが、cPGES-/-はcPGES+/+に対して0.15と顕著に少なく、得られたcPGES-/-新生児も生後まもなく死亡した。従って、cPGES-/-マウスは胎生致死あるいは生直後に死に至ることが明らかになった。この表現型はこれまで知られている他のアラキドン酸代謝酵素やPGE2受容体のノックアウトマウスより重篤であり、cPGESがマウスの正常な発生や生存に必須であることがわかった。今後は、胎児より初代培養線維芽細胞を調製し、アラキドン酸代謝反応や細胞内受容体シグナリングを解析する予定である。
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Research Products
(6 results)