2004 Fiscal Year Annual Research Report
単一細胞生物時計の検証:視交叉上核単独細胞培養による遺伝子発現と神経活動解析
Project/Area Number |
16659058
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本間 さと 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20142713)
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Keywords | 生物時計 / サーカディアンリズム / 視交叉上核 / 時計遺伝子 / マルチ電極アレイ / カルシウムイメージング / レポーター遺伝子 |
Research Abstract |
本研究は、他の神経細胞が全く存在しない条件下で、単一の視交叉上核(SCN)神経細胞が約24時間の安定したリズムを自律発振するかどうかを明らかにすることを目的としている。本年は、単一細胞から複数の機能のリズムを長期に渡り測定し、周期・位相の解析を行う実験系の確率に焦点をあてた。 1.時計遺伝子発現の測定:時計遺伝子Per1プロモーター6.7kbあるいはBmal1プロモーター8.1kbの支配下にホタルルシフェラーゼを発現する2種のトランスジェニックマウスを作成して、SCN神経細胞の分散培養を行い、遺伝子発現リズムをCCDカメラによる連続撮像の画像解析により行った。その結果、グリア細胞の除去は困難であるが、単一神経細胞の遺伝子発現リズムを測定することができた。 2.時計遺伝子蛋白の細胞内局在:時計遺伝子Per1のプロモーター下流にPer1と蛍光蛋白GFP cDNAの融合蛋白を発現するベクターを構築し,NIH3T3細胞に一過性遺伝子導入を行った。この細胞にデキサメサゾンショックによるリズム誘発を行い、PER1蛋白の細胞内局在とリズム変動を測定した。PER1蛋白は、細胞質および核内にほぼ均等し分布したが、デキサメサゾン投与後に一過性に核内に集積し、その後細胞質に分布した。 3.細胞内カルシウムレベルの測定:カルシウム結合蛍光蛋白であるCameleonをNeuron specific enolase下流に結合した細胞内Ca^<2+>モニタリングベクターをPer1:lucレポーターベクターと同時にGene gunにより培養SCNスライスに遺伝子導入した。時計遺伝子とCa^<2+>は神経細胞のみならずグリア細胞においてもサーカディアン振動を示すことが明らかになった。
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Research Products
(12 results)