2005 Fiscal Year Annual Research Report
単一細胞生物時計の検証:視交叉上核単独細胞培養による遺伝子発現と神経活動解析
Project/Area Number |
16659058
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本間 さと 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20142713)
|
Keywords | 生理学 / 神経科学 / 遺伝子 / 生物時計 / 生物発光 |
Research Abstract |
本研究は、哺乳類の生物時計である視床下部視交叉上核の神経細胞が、他の細胞が全くない状態で、単一細胞でもリズム発振を行うかどうか、またもしリズム発振する細胞としない細胞とがある場合は、振動体として機能するための細胞数、細胞種を決定することを目的として行われた。そこで、野生型マウス・ラットの視交叉上核の培養系を用い、以下の実験を行った。 1)マルチ電極を用いたリズム発振細胞の検出:新生ラット視交叉上核の低密度分散培養をマルチ電極アレイ上で行い、発火リズムを示す神経細胞のみの選択を試みた。しかし、細胞密度を通常の培養条件の1/10としたところで、全く自発発火を行う神経細胞の検出ができなくなった。視交叉上核神経細胞が安定的に自発発火を発振するには、高密度での培養が必須と考えられたため、時計遺伝子発現リズムの生物発光によるシングルセル解析に方法を変換した。 2)時計遺伝子発現リズムの単一視交叉上核での解析:時計遺伝子Pealのプロモーター支配下にホタルルシフェラーゼを発現するPer1-Lucトランスジェニックマウスを用い、80〜100μmの厚さの視交叉上核スライスを作成し、培養用メンブレン上で気水界培養した。培地に基質ルシフェリンを添加し、デジタル冷却CCDカメラにて時計遺伝子Per1の発光画像を連続撮影した。その結果、SCNにおけるシングルセル発光解析が可能であり、かつ発光の検出できる細胞はすべて安定したper1発現リズムを示すことが明らかとなった。そこで、マイクロアイランド法にて、Per1-Lecマウス視交叉上核の低密度分散培養行い、単一神経の生者したアイランドの選択を行った。しかし、アイランドへの単一細胞の生着が確認できなかった。培養法の更なる改良は必須であるが、本研究結果は視交叉上核が高密度で初めて安定した振動を発揮する可能性を示唆している。
|
-
[Journal Article] Maternal deprivation in neonatal rats alters the expression of circadian system under light-dark cycles and restricted daily feeding in adults.2005
Author(s)
Yoshihara, T., Otsuki, Y., Yamazaki, A., Honma, S., Yamasaki, Y., Honma, K
-
Journal Title
Physiol.Behav. 85
Pages: 646-654
-
[Journal Article] Maternal deprivation in neonatal rats of different conditions affects growth rate, circadian clock, and stress responsiveness differentially.2005
Author(s)
Yamazaki, A, Ohtsuki, Y., Yoshihara, T., Honma, S., Honma, K.
-
Journal Title
Physiol.Behav. 86
Pages: 136-144
-
-
-
-
-
-
-