2004 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍依存性血管新生・リンパ管新生を抑制する遺伝子改変幹細胞移植による分子標的治療
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16659067
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
馬嶋 正隆 北里大学, 医学部, 教授 (70181641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 泉 北里大学, 医学部, 助教授 (90172999)
藤田 朋恵 北里大学, 医学部, 助手 (20296510)
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Keywords | プロスタグランジン受容体 / ノックアウトマウ / 腫瘍 / 血管新生 / ストローマ / VEGF / ペリサイト / 骨髄移植 |
Research Abstract |
本年度は、宿主PG受容体の腫瘍血管新生における役割を解析することに主眼をおき、PG受容体ノックアウトマウス、受容体拮抗薬を用いて検討を加えた。腫瘍ストローマの血管新生をミミックするスポンジ移植モデルでは、EP1,2,3,4にそれぞれ特異性の高いアゴニストを投与するとEP3アンゴニストが血管新生を用量依存的に増強し、EP3ノックアウトマウスのスポンジ血管新生はWTのそれに比較して、有意に血管新生が抑制された。スポンジ肉芽組織にはCOX-2の発現があり、それによって産生されたPGE2が血管新生を増強していた。EP3シグナリングはVEGFの発現増大を引き起こし、そのVEGFに血管新生は依存していた。EP1,2,3,4のそれぞれの受容体ノックアウトマウスとIP受容体ノックアウトマウスにLLC細胞を接種するとWTに比較してEP3ノックアウトマウスで腫瘍増殖、腫瘍血管新生が抑制され、腫瘍増殖および腫瘍依存性の血管新生において、宿主側の受容体が重要であることが明らかになった。EP3受容体拮抗薬はWTの腫瘍増殖および腫瘍依存性の血管新生を抑制したが、EP3ノックアウトでは全く無効で、これからも宿主側のEP3が重要であること明らかにすることができた。VEGFの発現をWTの腫瘍、ストローマで確認したところ、腫瘍組織よりストローマで発現が強く、EP3ノックアウトではストローマでのVEGFの発現が強く抑制されていた。VEGF受容体キナーゼ阻害薬の投与ではWTで腫瘍増殖および腫瘍依存性の血管新生が強く抑制された。腫瘍新生血管におけるペリサイトの装着もEP3ノックアウトマウスでは抑制が見られ、新生血管の成熟度にもEP3受容体が関与することが明らかであった。EP3シグナリングを改変した骨髄細胞移植による血管新生の抑制が見られるかどうか検討する基盤が整った。
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Research Products
(7 results)