2004 Fiscal Year Annual Research Report
キマーゼの心血管組識線維化における病態生理学的役割
Project/Area Number |
16659068
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
高井 真司 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (80288703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 徳男 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90319533)
村松 理子 大阪医科大学, 医学部, 助手 (30330096)
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Keywords | キマーゼ / Transforming growth factor-β / アンジオテンシンII / 組織線維化 / 肥満細胞 / 阻害薬 / 心臓 / 血管 |
Research Abstract |
本年度は、イヌバイパスグラフトモデルにおいて、キマーゼはアンジオテンシンIIのみならずTransforming growth factor-βの活性化にも関与している可能性を示唆した。また、イヌ動静脈シャントモデルの静脈狭窄には、キマーゼ活性の顕著な増加があることを示した。さらに、この内膜肥厚はキマーゼ阻害薬で抑制されたが、その際、肥厚部位のキマーゼ活性のみならず、アンジオテンシンII産生、Transforming growth factor-β、フィブロネクチンの発現は有意に抑制され、線維化面積も有意に抑制されていることを明らかにした。これらのことより、キマーゼは傷害血管の血管線維化の調節機構に重要な役割を担っている可能性を示唆することができた。In vitroの実験として、ヒトキマーゼは、血管平滑筋の遊走能に大きく影響するフィブロネクチンの分解やマトリックスメタロプロテアーゼの活性化にも深く関与することを明らかにした。心臓に関する実験として、ラット心筋梗塞モデルを作製し、梗塞後2週の時点でキマーゼ活性およびコラーゲンI、コラーゲンIII、Transforming growth factor-βの発現増加が見られたが、キマーゼ阻害薬の投与により、これらすべてが抑制され、心臓の線維化面積も有意に抑制されていることを明らかにした。ラットキマーゼは、アンジオテンシンIIを産生しないことより、キマーゼは、Transforming growth factor-βの活性化を介して心筋梗塞後の心臓線維化に深く関与している可能性を証明することができた。以上の結果は、心血管組織リモデリングにおけるキマーゼの新しい役割を明らかにしたものである。
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Research Products
(6 results)