2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659079
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴原 茂樹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70206142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛田 渉 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10142944)
古山 和道 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80280874)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / 酸素センサー / 肺動脈 / 換気・血流比 / 気道神経上皮小体 |
Research Abstract |
ヘム分解系酵素ヘムオキシゲナーゼのアイソザイムであるHO-2の欠損(-/-)マウスは、低酸素血症と低酸素換気応答の低下を呈する。HO-2(-/-)マウスの肺胞構造には明らかな異常が検出されないため、低酸素血症の原因として換気・血流不均等が推定された。この結果に基づき、HO-2が関与する肺特異的低酸素応答を解析し、以下の成果を得た。 1)C57BL/6マウスを空気下および10%低酸素下で飼育し、動脈血中の一酸化炭素(CO)量の変化を解析した。COはヘム分解産物であり、全身におけるヘム分解量を反映する。COレベルは低酸素曝露後1日に最高値に達し、その後直ちに対照レベルに復帰した。さらに7日以降上昇に転じ、21日に再度最高レベルに達し、28日には対照レベルに復帰した。ウェスタンブロット解析と免疫染色解析により、低酸素(10%酸素)曝露28日後のマウス心筋においてHO-1とHO-2タンパクの発現増加を認めた。特に、肺静脈心筋では両タンパクが著明に増加した(論文投稿中)。 2)換気・血流比維持に重要な気道神経上皮小体に由来するH-146小細胞肺がん細胞ではHO-2が優位に発現されている。ヘミン存在下における誘導型アイソザイムであるHO-1とHO-2の発現変化を解析した結果、HO-1mRNAは誘導されたが、HO-2mRNAの発現には明らかな変化を検出できなかった。一方、H-146小細胞肺がん細胞の電気的興奮能がヘムにより抑制される現象を発見した。肺循環の制御にヘムが関わっている可能性が示唆される。 3)HO-2の機能発現に関わる新規分子を同定するため、Yeast two-hybrid法によりHO-2と相互作用する興味深い分子を同定した。既に、当該分子とHO-2が同一の細胞内局在を示すことを確認した。現在、当該分子に対するsiRNAによる機能の詳細を解析中である。
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Research Products
(3 results)