2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659082
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
横田 義史 福井大学, 医学部, 教授 (50222386)
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Keywords | 転写因子 / 転写調節因子 / Id2 / 細胞分化 / 増殖制御 / 高IgE血症 / アレルギー / 遺伝的背景 |
Research Abstract |
アレルギー性鼻炎や喘息を始めとしたアレルギー性疾患の発症には体質が深く関与する。私たちはこれまでに、様々な系列の細胞分化や機能発現に重要な役割を担うbasic helix-loop-helix(bHLH)型転写因子の機能抑制因子であるId2の遺伝子欠損マウスが、アレルギー性疾患の発症には至らないものの、液性免疫が亢進し、かつ、高IgE血症(対照マウスの20倍)を呈することを明らかにしている。本研究は、BALB/cマウスのように体質としてアレルギー反応を惹起しやすい系統のマウスにId2の遺伝子欠損を導入し、全く新しいアレルギー性疾患のモデルマウスを樹立することを目的とする。これまで、129/Svの遺伝的背景にあるId2欠損マウスをBALB/cマウスに8世代まで戻し交配を行い、この世代でヘテロ同士の交配を行った。300匹近くの仔を得たが、Id2-/-のマウスは一匹得られたのみで(統計的には45匹程度がId2-/-となる)、このホモマウスも生後1ヶ月になる前に死亡した。したがって、BALB/cの遺伝的背景では、Id2欠損マウスは生存できないものと考えられた。致死に至る原因は今のところ不明である。今後はBALB/cのId2+/-マウスと、BALB/cと他の系統マウスとのF1マウスの解析を行う予定である。 一方、細菌のゲノムDNAに由来するCpGオリゴヌクレオチドがB細胞におけるIgEなどへのクラススイッチを抑制することが知られている。このCpGオリゴヌクレオチドによる細胞内シグナル伝達にId2が関与するかについてId2欠損マウスのB細胞を用いて解析したが、CpGオリゴヌクレオチドの効果はId2に依存していないことが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)