2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト少量血液からの対象ゲノム領域クローニング新手法の開発
Project/Area Number |
16659091
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
木村 穣 東海大学, 医学部, 教授 (10146706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 正人 東海大学, 医学部, 助手 (90372945)
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Keywords | BAC / ETクローニング / 血液 / 相同組換え / TAR法 / 微量DNA / II型制限酵素 / 巨大DNA領域 |
Research Abstract |
本研究は、ヒト疾患に関わる遺伝子領域をマウス等のモデル動物で実証しようとする際に、疾患患者の遺伝子領域が必要となるが、通常の遺伝子ライブラリー作成では時間も手間もかかり,何よりも多量の試料を必要とする点を克服するために、主として3つの方法(大腸菌のETクローニング法、特殊制限酵素を用いる方法、酵母のTAR法)の最適条件を検討し、少量の血液から対象遺伝子の領域を簡便かつ迅速にクローニングする手法を開発することを目的としている。 1)血液からのDNA抽出法の検討 Quiagen社のDNA抽出キットに比べ、膜を利用したDNA抽出器は操作時間が短縮でき(約5-10分/検体)、回収量、品質も優れていた。回収量はロットごとに最大4倍程度の差があり、また、濃縮による回収量の低下が見られた。一年程度冷蔵保存の血液からでも50-100KbのDNAを回収できることが判明し、当該遺伝子領域のクローニングには量、質ともに十分であることが判明した。 2)クローニング条件の検討については、まずA.の大腸菌のETクローニング法におけるクローニング条件の検討し、Electroporation法をDH10B大腸菌株を用いて行うことが最適であることを見出した。この方法ではほぼ10分子に1分子の割合で菌体にDNAを導入できる。またET法はBACをもつ箘体があればhomology armを持つベクターを導入するのが最も効率的で、500bp程度のhomologyを持たせればほぼ100%の確率で目的のクローンが得られる技術を確立した。患者検体では今後co-electroporationなどの方法を応用していく必要がある。一方B.の制限酵素を用いる方法も関節リウマチに関与する候補遺伝子について、予備実験が進行中である。 以上より、本年度の計画の90%は達成できたと考える。
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Research Products
(3 results)