2004 Fiscal Year Annual Research Report
乳腺におけるカルシトニン・カルシトニン受容体の役割研究
Project/Area Number |
16659095
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
覚道 健一 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00112037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 美砂 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70285386)
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Keywords | 乳腺 / カルシトニン受容体 / カルシトニン / RT-PCR / in situ hybridization |
Research Abstract |
妊娠、授乳に伴い変動する乳腺の形態と機能に及ぼすカルシトニン(CT)作用の影響を検討する目的でラット(Wistar)非妊娠期、妊娠期及び授乳期乳腺におけるCT及びCTレセプター(CTR)遺伝子発現変動を解析した。 1)CTとCTRの発現変動 RT-PCRにより乳腺組織こおけるCT mRNAの発現が認められた。Real-time RT-PCRの結果、非妊娠期と比較した場合、妊娠中期から後期にかけてCT mRNAの著しい増加が認められた。妊娠17日をピークとして一過性に産生された後、授乳中はほとんど産生されないことが明らかとなった。CTRはRT-PCRでは全てのステージで発現を確認した。Real-time RT-PCRの結果、出産後CTRの発現増加が認められ、特に授乳期の中盤でその発現が最大となった。 2)CTRの局在 in situ hybridization(ISH)法により、妊娠、授乳期におけるCTRの乳腺組織での局在について調べた。その結果、腺小葉の発達が見られ始める妊娠12日目から、17日、21日にかけて腺小葉外側の一部の乳腺上皮細胞で発現が認められた。この時期、乳腺上皮細胞は細胞質内に脂肪滴を多数含有しているため、ISHの染色性も腔胞状であるが、端に押しやられた形の細胞質に陽性を示した。筋上皮細胞は陰性であった。一方、授乳期の乳腺組織では、CTRの強い発現が認められ、全ての乳腺上皮細胞に陽性を示した。細胞質内では妊娠期と比較して脂肪滴が減少しているため、細胞質全体が陽性を示した。 以上の結果より、妊娠、授乳期において乳腺でのCT/CTRの発現は大きく変化しておりこの時期の乳腺でCT/CTRは非常に重要な役割をしていることが示唆された。
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Research Products
(6 results)