2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノクリスタルQuantum(Q)dotsの免疫組織化学への応用
Project/Area Number |
16659096
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
長村 義之 東海大学, 医学部, 教授 (10100992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 しのぶ 東海大学, 医学部, 助教授 (20276794)
竹腰 進 東海大学, 医学部, 助教授 (70216878)
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Keywords | チロシンキナーゼ受容体 / ホルモン受容体 / Quantum dots / in vivo / confocal microscopy / spectrum analysis / 薬剤感受性 / 細胞内蛋白相互作用 |
Research Abstract |
乳癌の予後・治療効果予測因子であるチロシンキナーゼ受容体(RTKs;HER1,2,3,4)、ホルモン受容体(ER,PgR)の細胞内動態観察のin vitroモデルの確立を目的とし、生細胞での薬剤感受性の観察(薬剤刺激による細胞内シグナル伝達のクロストークや、薬剤の腫瘍細胞に及ぼす影響)をQuantum dots (Q dots)を用い解析し、電子顕微鏡観察との対比を試みるため、以下の実験を行った。 材料: 生細胞 BT474(ヒト乳がん細胞株Her2強発現)n=15、MCF7(ヒト乳がん細胞株Her2発現なし)n=15 方法: 各群について、No.1処置ディシュ 細胞培養のみ,No.2 Negative control (Qdot565抗ヒトIgG(H+L)抗体F(ab')2(ヤギ)標識)、No.3 Herceptin-Qd655 treated、No.4 Her2-Qd605 treatedを施した生細胞サンプルをconfocal顕微鏡のスペクトル解析法を用いて解析した。またレーザ観察後一部について電顕観察を行った。 結果: Negative controlネガティブになる抗体タンパク量にて目的抗体の反応を確認した結果、Her2-抗体Qd605標識の5分間の抗体反応時間後の動態は、細胞膜に強く認められ、10分後においては、一部細胞に取り込まれる現象が観察された。これは電顕観察でも確認された。一方、Herceptin抗体Qd655標識の動態は、強い反応が細胞膜表面に限局する傾向が認められた。 考察: 目的抗体ごとに異なるQuantum dotsを標識し、多重蛍光反応として生細胞観察が可能であった。そして、生細胞に対するHer2、herceptinの挙動が異なった点は興味深く、その現象を解明することは、従来のin vitro薬剤感受性試験、多剤併用による細胞内蛋白動態の観察、種々のシグナル伝達間のクロストークによる薬剤感受性の変化などの解明に寄与するものと考える。また作用機序の異なる薬剤併用に際し、細胞内蛋白相互作用についての可能性をも、明らかにできると考える。この結果は、実際の乳癌のprimary cultureを用いて、"生細胞を対象とした標的分子の動態"を介して、癌の個別化治療への応用が期待できると考えられる。
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Research Products
(1 results)