2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659098
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 伸哉 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70261287)
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Keywords | クロマチンリモデリング / ヒストン / HP1 / FRET |
Research Abstract |
本研究はクロマチンリモデリングをFRET(fluorescence resonance energy transfer)システムを用いてリアルタイムで観察する技術開発を目指すものであり、本年度は本研究の初年度にあたり、以下の実験を行った。 (1)ヒストン蛋白の一過性発現:ヒストンH2A, H2B, H3,H4を293T細胞に一過性に発現させて複合体形成を確認した。またそれぞれにCFP,YFP融合蛋白発現ベクターを作成し293T細胞に一過性に蛋白を発現させて分光高度計を用いてFRET反応の有無を検討したが、488nmの励起波長にて、FRETに基づく588nmの励起波長は観察されなかった。 (2)HP1を用いたFRET解析系:HP1はヒストンH3のアセチル化K9に結合し、クロマチンのサイレンシングを制御することが知られている。HP1にはN端、C端にchoromodomainとchromoshadow domainがあり、ヒストンK9と結合する際にHP1自身の構造が大きく変換することが判明してきている。そこで、この構造変換に着目し、HP1のN端、C端のそれぞれにCFPおよびYFPを結合させた融合蛋白を発現するconstructを作成した。293T細胞にトランスフェクトして24時間後にTSA(トリコスタチンA)処理を行い36時間後にFRET reactionの有無を検討した。陽性コントロールとしてはpRaichu-RasとSosを共発現させたcell lysateを用いた。分光光度計にて488nmの励起波長にて533nmのCFPの励起は認めたものの、TSA処理によって588nmのFRETに基づく励起波長は得られなかった。現在、さらにHP1の構造変換に関与すると思われるSUV39-H1の発現ベクターを入手し、SUV39の存在下で同様の実験を行い検討中である。
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Research Products
(7 results)