2005 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエを用いた筋ジストロフィー病態モデル動物の開発と解析
Project/Area Number |
16659101
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 研一 京都大学, 化学研究所, 助手 (70270684)
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Keywords | ジストログリカン / ショウジョウバエ / 病態モデル動物 / 筋ジストロフィー |
Research Abstract |
これまでの研究において、先天型およびDuchenne型筋ジストロフィーの発症に重要な役割を担うジストログリカン分子のショウジョウバエ低発現株を作製し、その個体が運動能力の減退、代謝異常、体温調節行動異常等を示すことを見出した。平成17年度は、ジストログリカン低発現株ショウジョウバエ(atsugari変異体)が示す低温選択性が、高酸素処理をすることで野生株のレベルまで回復することを見出した。このことはatsugari変異体は何らかの理由で、低酸素状態におかれているのと似たような状態になっていることが示唆された。すなわち、ミトコンドリアにおけるエネルギー産生系あるいはエネルギー代謝系に異常をきたしている可能性が強いと考えられた。これらの結果より、ジストログリカンの発現量の低下により見られる表現型の少なくとも体温調節に関わるものは、ATP量の調節に異常をきたした結果生じていることが推測された。今後、エネルギー産生や消費がどのようにジストログリカン低発現株の種々の表現型に関わっているかを明らかにする予定である。このことにより本研究はエネルギー調節系に関わる分子をターゲットとした治療薬の開発という、研究の最終段階に突入できるものと考えられる。
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