2004 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス細胞を用いた腫瘍拒絶ワクチン療法の開発
Project/Area Number |
16659105
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山本 哲郎 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (60112405)
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Keywords | 腫瘍免疫 / アポトーシス / 移植腫瘍 / ワクチン / Meth-A細胞 / L5178Y-ML細胞 / BALB / cマウス / TUNEL法 |
Research Abstract |
初年度は以下の研究を行なった。 1.アポトーシス細胞を腫瘍免疫誘導のためのワクチンとして利用する実験のために、BALB/c由来の2種の腫瘍細胞株、Meth-A細胞並びにL5178Y-ML細胞を、BALB/cマウスの腹腔で継代培養すると共に、一部の細胞をCO_2インキュベータ内で数日間培養維持する系を確立した。 2.in vitroで43℃50分間処理してアポトーシスに誘導する系を、Meth-A細胞に関して確立した。L5178Y-ML細胞についてもまもなく確立できる予定である。なお、アポトーシスの観察は、terminal deoxynucleotidyltransferase-mediated dUTP-digoxigenin nicked end labeling(TUNEL)法により行なった。 3.未処置のMeth-A細胞とL5178Y-ML細胞を、BALB/cマウスの皮内に接種し、移植腫瘍を作らせてその増殖曲線を観察する系を、Meth-A細胞に関して確立した。なお、移植腫瘍は接種局所で増殖すると共に肺に転移し、マウスは25日目ごろに呼吸不全で死亡することが明らかになった。L5178Y-ML細胞についても同様の増殖曲線を観察できる系がまもなく確立できる予定である。 4.in vitroで43℃50分間処理してアポトーシスに誘導したMeth-A細胞を、7日前と2日前に皮内接種しておくと、その後接種した未処置のMeth-A細胞は増殖できずに排除され、腫瘍免疫が誘導されることが明らかとなった。現在、L5178Y-ML細胞で同様の腫瘍免疫が誘導できるかどうかを検討中である。
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