2004 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア原虫の媒介蚊唾液腺侵入過程を標的とした感染阻止法の開発
Project/Area Number |
16659111
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
油田 正夫 三重大学, 医学部, 助手 (90293779)
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Keywords | マラリア / ハマダラ蚊 / 唾液腺 / 基底膜 |
Research Abstract |
唾液腺侵入前のスポロゾイトに特異的に発現するプロテアーゼ(スポロラーゼと命名)を発見した(投稿中)。スポロラーゼ遺伝子を破壊したスポロゾイトは唾液腺への感染性を完全に失い、マウスに感染できなくなった。以上の結果よりこの分子がマラリア感染阻止の標的分子となりうることを明らかにした。蚊の唾液腺は基底膜に被われており、このプロテアーゼはスポロゾイトが唾液腺の基底膜を破って内部に侵入するさいに、使われるのではないかと推測した。このことを証明するために、スポロラーゼの遺伝子を人工合成し、大腸菌で組み替え体蛋白を発現させた。また、昆虫の基底膜の主要な構成成分である、コラーゲンの遺伝子をハマダラ蚊からクローニングし、組み替え体蛋白を発現させた。以上の組み替え蛋白を用いることで、実際にコラーゲンがスポロラーゼの基質であることを証明することができるとともに、スポロラーゼのインヒビターを作出するためのアッセイ系を確立することができる。また昆虫ウイルスを遺伝子導入のベクターとし媒介蚊のコントロールに応用するという目的のもとに、野生の蚊に不顕性感染している昆虫ウイルスの分離を試みた。その結果、複数のウイルスを分離することに成功した。またこれらのウイルスの構造をすでに一部あきらかにした。その結果、これらのウイルスはすべて、これまで報告されていない新しいものであることがわかった。今後これらのウイルスのほ乳類への感染性を調べ、安全な遺伝子導入のベクターの確立を試みる.
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Research Products
(2 results)