2005 Fiscal Year Annual Research Report
吸虫類の生活環における光感覚の役割:日本住血吸虫の光受容機構の探索
Project/Area Number |
16659113
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
吾妻 健 高知大学, 医学部, 教授 (40117031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 徹 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60263282)
吾妻 美子 高知学園短期大学, 衛生技術科, 教授 (50004726)
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Keywords | ロドプシン / セルカリア / メタゴニムス属 / 住血吸虫 / 終末細胞 / 光受容器 / ホールマウント / 微弱生物発光 |
Research Abstract |
1.日本住血吸虫セルカリアの光受容器の免疫組織学的探索 (1)抗タコ及び抗ウシロドプシン(rho)抗体の視細胞への免疫組織反応性を確認した。眼点を有するメタゴニムス属セルカリアのホールマウント標本で免疫組織染色したところ眼点とは全く異なる位置に、免疫陽性反応が出現した。免疫陽性反応は、排泄器官である終末細胞の配置に酷似していた。そこでrho免疫組織反応と同時に、終末細胞の繊維束部分を抗ウニアセチル化アルファチューブリン(a-tu)抗体で免疫組織反応させた。その結果、rho免疫反応陽性は必ずa-tu免疫反応陽性を囲むように出現していた。以上の結果より、rho免疫陽性は終末細胞の細胞体にあり排泄系で光受容がなされるという驚くべき可能性と、本課題の研究の発展性が示された。今後終末細胞がrhoの生化学的特徴を有するのかどうかを検討する。 (2)マンソン住血吸虫セルカリアのホールマウント標本では意外にも終末細胞でのrho免疫陽性はなく、体表面にスポット状のrho免疫陽性を観察した。これは、Shortら(1975)の報告した視細胞様構造の局在に酷似しているため、更に検討を要する。その結果に基づき日本住血吸虫セルカリアについても検討する。 2.日本住血吸虫成体の超微弱光発光の探索 暗箱(450x470x370mm)内に、Z軸可動の一眼レフカメラ(Nikomat)を底面へ向け設置し、シャッターをレリーズを介して暗箱外へ導いた。発光ダイオードおよび海ホタルの発光を被写体として、暗黒下での予備撮影に成功し(ASA1600フィルム)、露光時間の検討を行った。マンソン住血吸虫成体で微弱生物発光の撮影を試みたが、約半日の露出時間内で死滅するという問題が判明した。今後は飼育条件を修正すると同時に、大豆等で認められる発芽時の微弱発光に注目し、予備撮彰のデータを集積する,
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Research Products
(5 results)