2004 Fiscal Year Annual Research Report
Dural specific phosphataseによるTh1/Th2分化制御機構
Project/Area Number |
16659127
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉開 泰信 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (90158402)
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Keywords | DSP / MKP-M / トランスジェニックマウス / TH1細胞 / JNK / Listeria monocytogenes |
Research Abstract |
我々は単球/マクロファージで多量に発現される新規のdual specific phosphatase(DSP)をクローニングし、MKP-M(MAP kinase phosphatase-macrophage=DUP16)と名付けた.このDSPは3種のMAPキナーゼのうち特異的にJNKの脱リン酸化をおこすことがわかった。成熟T細胞にのみに発現する1ck-distal promoterでMKP-Mとそのシステインをセリン置き換えたdominant negative MKP-MCSを発現したトランスジェニック(Tg)マウスを作製した。ともに胸腺細胞、リンパ組織(脾臓、リンパ節、パイエル板、腸管上皮間リンパ球)、非リンパ組織(肝臓、粘膜固有層)でのTリンパ球の分化に変化は認めらなかった。次に二種類のトランスジェニックマウスのナイーブT細胞を用いて抗CD3抗体で刺激してJNKの活性化をc-JUNのリン酸化で検討したところ、MKPM-TgマウスでJNK活性の早期低下、MKPMCS-TgマウスでJNK活性の遷延化がみられた。これらのマウスに卵白アルブミン(OVA)産生Listeria monocytogenesを感染させて、臓器内菌数を調べたところ、MKPM-Tgマウスで菌数の低下、MKPMCS-Tgマウスで菌数の増加を認めた。さらにリステリア抗原およびOVA特異的CD4T細胞の産生をテトラーマーを用いた染色で調べ、細胞内サイトカインによってTh1機能分化を調べたところ、MKPM-TgマウスでTh1細胞数の増加、MKPMCS-TgマウスでTh1細胞数の低下を認めた。これらの結果よりT細胞に発現されるMKP-MはTh1細胞の産生・維持にはネガティブに働く可能性が示唆された。
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