2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659138
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
片岡 泰文 福岡大学, 薬学部, 教授 (70136513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 淳史 福岡大学, 薬学部, 助手 (90341453)
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Keywords | 更年期 / 性差 / Flushing / CGRP / ニフェジピン / エストロゲン / ホルモン補充療法 |
Research Abstract |
近年、性差を考慮した病因解析および治療方法の個別化を行う性差医療が注目されている。更年期女性のほてりは末梢微細循環調節障害(flushing)の症状の1つであり、女性に多く、QOLの低下をもたらす。早急な治療指針の策定が望まれているが、flushingの定量的評価法はなく、診断や薬物治療効果判定に限界がある。そこで本申請者は、簡便なin vivo flushing評価実験系の確立を計画した。 更年期モデル動物として、マウスに卵巣摘出術(ovx)を施した。本マウスは、更年期に特徴的な体重増加を示し、エストラジオール補充療法(HRT)により抑制されたことから、更年期モデルとして有用であることが判った。 Flushing評価には、赤外線サーモグラフィーを用い、尾部皮膚表面温度(TST)の測定を試みた。Flushing誘発薬物として、ニフェジピン投与を行った。Ovxマウスはニフェジピン投与により、偽手術群と比較し、有意なTST上昇が認められた。このTST上昇は、HRTで抑制された。 また、ニフェジピン誘発flushingは、女性ホルモン様作用を示す大豆インフラボンによっても改善した。(J.Pharmacol.Sci.95:476-478,2004) 以上、サーモグラフィーを用いたTSTによるflushing評価実験系は簡便であり、薬物有害作用の評価ならびに治療方法の探索に有用である。本実験系を用いたflushing発現機序の解明および易発症因子の検索を進行中である。
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