2005 Fiscal Year Annual Research Report
"タンパク質"修飾酸化LDLの診断法の確立と動脈硬化における意義に関する研究
Project/Area Number |
16659141
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松浦 栄次 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (20181688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方 賢一 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00243452)
稲垣 純子 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (90271056)
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Keywords | 酸化LDL / β2-グリコプロテインI(β2GPI) / C-反応性タンパク質(CRP) / 動脈硬化 / 感染免疫 / 抗リン脂質抗体症候群(APS) / 脂質代謝異常 / 複合体 |
Research Abstract |
酸化ストレスが原因となる生活習慣病が我が国でも増加の一途を辿っている。この状況の中、動脈硬化や冠動脈疾患の早期診断、治療中の経過観察に有益な診断法として、酸化LDLや高感度C-反応性タンパク質(CRP)の測定法が開発されてきた。しかしながら、CRPおよびβ_2-グリコプロテインI(β_2GPI)が酸化LDLと複合体を形成していることが明らかになったため、早期に、これらタンパク質修飾LDLの臨床意義を明らかにし、それらの診断法を確立する必要があると考えた。そこで、平成16年度からの2年間の本萌芽研究で、基礎・臨床分野に跨る解析を体系的に行い、タンパク質修飾酸化LDLの動脈硬化への関わりについて検証すると共に、臨床診断薬としてのELISAによる修飾酸化LDLの測定法を確立することを計画した。 今年度は、抗β_2GPI抗体、抗CRP抗体などを用いたCRP/β_2GPI修飾酸化LDLのELISA法を確立し、糖尿病、虚血性心疾患、脳血管障害、閉塞性動脈硬化症、慢性腎疾患等の動脈硬化性疾患、および膠原病(特に、SLE、APS)を対象に、古典的な動脈硬化の指標とCRP/β_2GPI修飾酸化LDLとの関連性について検討を行った。CRP/酸化LDL/β_2GPI複合体は、動脈硬化性疾患である糖尿病患者血中、特に、IMTで診断される動脈硬化陽性の患者で特異的に検出された。一方、急性炎症性(熱発性)疾患で、CRP陽性の患者では全く検出されなかった。高感度CRPと高い相関を示すため、冠動脈疾患の危険因子と考えられている高感度CRPの本体が本複合体であると考えられる。動脈硬化を有する患者の頸動脈(動脈硬化巣)にCRP、酸化LDL、β_2GPIの局在が認められたことより、これらの複合体は動脈硬化巣で形成され末梢血流中へ逸脱すると考えられた。
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Research Products
(24 results)