2004 Fiscal Year Annual Research Report
未知の広範囲遺伝子欠失断端の簡単な同定法の開発、および本法による疾患多様性の解明
Project/Area Number |
16659143
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
服部 幸夫 山口大学, 医学部, 教授 (80144955)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山城 安啓 山口大学, 医学部, 助教授 (50243671)
|
Keywords | 定量的PCR / 遺伝子欠失 / βサラセミア / αサラセミア / PCR |
Research Abstract |
1)広範囲欠失が確定しているHb Leporeで条件設定を行い、その後確定していないδβサラセミアおよびγδβサラセミア症例を用いて、LightCycler^<TM>(日本Roche)を用いた定量的PCRで、欠失部位の推定を行った。定量的・PCRによる遺伝子量の定量がかなり満足のゆくものであった。 2)一方のみの欠失断端をさらに詳しく追いつめて、5kb以内までに絞った。その範囲内に約10セット(入れ子PCR用のプライマーも含めて20個)を作成した。8種類の制限酵素の何れか消化されたゲノムDNAおよび同じ酵素で消化されたpUC18ベクターをDNAリガーゼで結合させた。pUCベクターのcommonプライマーと前述の5kb内に設定されたプライマー間でjunction PCRを行った。PCRプロダクトを電気泳動用にかけ、異常なバンドを拾って、その塩基配列をシーケンサーで決定した。 3)その塩基配列と高い相同性を有する配列をゲノムプロジェクトのdatabaseから探し出し、欠失断端を決定した。 4)gap PCRにより同欠失が家系の者にあるか否かを調べた。 5)本法を同じく広範囲欠失が疑われるαサラセミアに適用すべく、基礎的検討を行ったが、βグロビン遺伝子群と異なり、反復配列の多いαグロビン遺伝子群(第16染色体短腕末端)では満足な結果が今のところ得られていない。検討を重ねている。 以上より、少なくともβグロビン遺伝子群を含む第11染色体短腕では、定量的PCRとjunction PCRを組み合わせた本法が有効であることが確立された。 5)他の症例への応用: 現在のところ、本法を用いて、数種類のβサラセミアの広範囲欠失の同定を行いつつある。 申請書に記載した予定通りの結果が出つつある。
|