2004 Fiscal Year Annual Research Report
重症筋無力症の新規自己抗体“抗MuSK抗体"の測定法の開発と発症機構の解明
Project/Area Number |
16659145
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
太田 光煕 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00330423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤波 綾 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (30299086)
斎田 孝彦 独立行政法人国立病院機構, 宇多野病院, 院長
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Keywords | 重症筋無力症(MG) / 抗アセチルコリン受容体抗体 / 抗MuSK抗体 / Muscle-specific tyrosine kinase (MuSK) / 自己抗体 / 球症状 |
Research Abstract |
重症筋無力症(Myasthenia Gravis, MG)のうち,全身症状をもつ患者血清中には約80%-85%に抗アセチルコリン受容体(ACh R)抗体が検出される.2001年,抗ACh R抗体陰性MG患者血清中に新規自己抗原であるMuscle-specific tyrosine kinase (MuSK)に対する自己抗体をもつ一群の患者の存在が報告され,抗MuSK抗体測定の臨床的有用性が明らかとなった.そこで,本年度は抗MuSK抗体を測定するため,リコンビナントMuSKタンパクの作製と,これを用いた測定系の開発を行った.まず,膜貫通タンパクであるMuSKタンパクの作製のため,MuSK細胞外領域配列の下流にヒト胎児型アルカリフォスファターゼ(ALP)をっないだコンストラクトを作製し,Cos7を用いてMuSK-ALP融合タンパク質を分泌型として作製し,次に培養液より抗ヒトALP抗体カラムを用いてヒトMuSKタンパク質の精製を行った.SDS電気泳動により,分子量(110KD)およびその精製度(98%)を確認した.次に本タンパク質を用いてウエスタンブロットを行い,抗ACh R抗体陰性で重症の全身症状を示す15人のMG患者血清と反応させると,3人が110KD付近のバンドと強く反応するMuSK抗体陽性患者を見出した. 次に簡易測定系構築のため,MuSK融合タンパクをクロラミンT法により,^<125>I標識化し,免疫沈降法による測定系の開発に成功した.本法を用いて,健常者,他の自己免疫病を対象に多数検体を測定した結果,すべて陰性を示すことが明らかとなった.一方,抗ACh R抗体陰性でMGと確認された50例のMG患者を測定した結果,7例のMuSK抗体陽性患者を発見することができた.
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