2005 Fiscal Year Annual Research Report
重症筋無力症の新規自己抗体"抗MuSK抗体"の測定法の開発と発症機構の解明
Project/Area Number |
16659145
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
太田 光煕 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00330423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤波 綾 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (30299086)
斎田 孝彦 独立行政法人国立病院機構, 宇多野病院, 院長
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Keywords | 筋特異的チロシンキナーゼ(MuSK) / 重症筋無力症(MG) / アセチルコリン受容体抗体 / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
前年度に明らかにした重症筋無力症(MG)における抗MuSK抗体価は抗アセチルコリン受容体(ACh R)抗体陰性MG(SNMG)で顕著に高く、抗ACh R抗体陽性MG(SPMG)例がすべて低力価を示したことから、RIA法に使用したMuSK融合タンパクのAPに対する自己抗体の存在を疑った。そこで、MuSK-APに代わるHis-MuSKを作製し、同様の検討を行った結果、低力価を示したSPMG例が陰性となり、一方、MuSK-AP高力価群は不変であったことから、SPMG群の一部(約10%)は胎盤型APに対する自己抗体を有することが分かった。AP抗体の特異性を検討するため、MG以外の自己免疫疾患91例、および健常者70例について検討した結果、陽性例は全く検出されず、AP抗体はSPMGに特異的に出現する新規自己抗体であることが分かった。そこで、His-MuSKを用いて、陽性者18例のIgGサブクラスを検討した結果、すべての症例でIgG4が主要クラスであることが明らかとなった。また、MuSKの各細胞外ドメインを作製し、自己抗体の交差反応性を検討した結果、全例がドメイン1-2に強い反応を示すことが分かった。さらに、これまでに確定したMuSK抗体陽性を示す症例の臨床的特徴を調べた結果、陽性例は四肢症状より、頚部、顔部の筋や呼吸筋の強い障害をもつことが分かり、欧米で報告されているSNMG陽性例の臨床的特徴に一致することが分かった。
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