2005 Fiscal Year Annual Research Report
末梢血からの破骨細胞形成能を指標とした食品の抗ストレス機能評価
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16659173
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
武田 英二 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00144973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
六反 一仁 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10230898)
山本 浩範 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (60314861)
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Keywords | リン / 酸化ストレス / 破骨細胞 / 血管内皮細胞 / 動脈硬化 / フラボノイド / サポニン / 抗酸化機能 |
Research Abstract |
平成16年度の研究により、ヒト末梢血単核球に骨芽細胞由来の破骨細胞分化因子であるRANKL(Receptor Activated NF κB Ligand)を作用させる破骨細胞形成能評価系を確立し、喫煙習慣や試験などの種々ストレスによりカテコールアミン分泌亢進とともに破骨細胞形成が亢進することを発見した。平成17年度は、抗酸化機能を有するフラボノイドおよび人参中サポニンの抗ストレスおよび破骨細胞形成抑制作用を検討した。 1)フラボノイドの破骨細胞形成抑制作用の解明 破骨細胞前駆細胞に対して、300ng/well RANKL存在下でフラボノイドとくにケルセチンおよびルチンの破骨細胞形成をTRAP陽性で3つ以上の核を有する細胞を顕微鏡下にて計測して評価した。ケルセチンは破骨細胞形成を抑制したが、ルチンは抑制しなかった。また、ケルセチンはエストロゲン受容体やダイオキシン受容体を介した転写活性を示さなかった。ケルセチンを卵巣摘出マウスに投与したところ、非投与群に比べて第4腰椎骨塩量の減少を抑制した。しかし、ケルセチンは子宮重量を変化させなかった。 2)サポニンの抗ストレス作用の解明 ・サポニンであるギンセノサイドは、破骨細胞前駆細胞における一酸化窒素(NO)産生を促進し抗酸化作用を示した。ギンセノサイドの血中有効成分であるcompound Kは破骨細胞前駆細胞からの破骨細胞形成を抑制した。 ・活性酸素分子種(ROS)の蛍光指示薬であるAminopheyl Fluorescein(APF)を用いて、血管内皮細胞において生じるROS産生をモニターする方法を確立した(Adv.Enz.Regl,2006 in press)。高リン負荷した血管内皮細胞では、ブラジキニン依存性のNO産生が著しく低下したが、compound KはNO産生の低下を抑制した。 以上より、ケルセチンおよびギンセノサイドは破骨細胞形成を抑制することにより、骨健康増進機能を有すること、さらにギンセノサイドは酸化ストレスによる動脈硬化の促進を抑制することが明らかになった。
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Research Products
(7 results)