2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659178
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
杉山 敏郎 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (00196768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅香 正博 北海道大学, 大学院医学研究科, 教授 (10113507)
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Keywords | クローン病 / CARD15 / Nod2遺伝子 / ヘリコバクター属 |
Research Abstract |
クローン病と潰瘍性大腸炎は最近の食生活の欧米化等と相まって我が国でも急増している難治性疾患である。病理学的検討からクローン病では特徴的肉芽腫形成など古くから病原微生物感染との関連が推定されてきた。病態形成に関わる宿主免疫応答等の解析が進み、抗TNF-α抗体などの抗炎症治療が著しい臨床効果を発揮しているものの、しかし上記の病因論的検討は全く進展していない。マウス腸管から同定されていた細菌Helicobacter muridarum (H.muridarum)がヒト大腸癌細胞のToll-likereceptor5を介してアポトーシス関連CARD15/Nod2遺伝子の活性化、NF-kB活性化作用を有することが明らかにされ、同様のCARD15/Nod2遺伝子活性化、NF-kB活性化作用のあるH.muridarumヒトホモログはクローン病関連の新規病原遺伝子となる可能性がある。そこでクローン病患者の腸内細菌からλgt-11ベクターを用いて細菌遺伝子cDNAライブラリーを作成し発現させた。その後、H.muridarum16S ribosomal RNAプローブを用いてスクリーニングした結果、約40種のハイブリダイズする遺伝子断片がスクリーニングされている。現在、その各遺伝子断片の配列の解析と同時に既知の遺伝子との相同性を検索中にある。さらに感染性腸炎患者の腸内細菌からもcDNAライブラリーを作成し、同様にH.muridarum16S ribosomal RNAプローブを用いてスクリーニングしている。
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