2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体内抗菌ペプチドを用いたクローン病新規治療法の開発
Project/Area Number |
16659180
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木内 喜孝 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20250780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 成一 東北大学, 病院・助手 (40312574)
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Keywords | 自然免疫 / 炎症性腸疾患 / 生体内抗菌ペプチド |
Research Abstract |
炎症性腸疾患のひとつであるクローン病は、若年発症し再燃と寛解を繰り返す難治性の疾患で,現在のところ病因は不明である。最近,クローン病感受性遺伝子としてNOD2が同定され、そのNOD2が自然免疫を構成する分子であることから,自然免疫異常が病因として注目され始めている。その中でも抗菌ペプチド(AMP)という蛋白群が特に注目を集めているが,未だ確たる病因としての証拠は存在していない. AMPはおもにdefensinとcathelicidinの2つのグループに分けられるが、これらの蛋白がうまく誘導されなかったり、蛋白の持つ抗菌活性が活性化されないことが炎症性腸疾患の原因の一つではないかという仮説が提唱されている。本研究では、AMPの一つであるcathelicidinを腸管上皮だけで過剰発現するトランスジェニックマウスを作製し,これらのマウスに腸炎を誘導し,そのAMPの腸炎抑制効果を解析することを目的とした。期待するような炎症抑制効果があれば炎症性腸疾患の病態解明や治療への応用に利用できると考えられる。 平成17年度は,引き続きマウスcathelicidinの一つであるCathlin-Related AMP(CRAMP)のcDNAをマウスcDNAライブラリーよりlong PCRによって増幅し,エンロリーベクターに挿入しサブクローニングをした。塩基配列を確認し、得られたcDNAを大腸・小腸の上皮細胞で特異的に発現するT3bプロモーターの下流に挿入し、目的のDNA断片(T3b-CRAMP)を作製した.精製したDNAをC57BL/6マウスの受精卵の雄性前核に注入し,トランスジェニックマウスを現在作成している.
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