2004 Fiscal Year Annual Research Report
Naチャンネル制御遺伝子導入システムによる高血圧症に対する革新的分子治療法の開発
Project/Area Number |
16659224
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荻原 俊男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60107042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 元邦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00346214)
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Keywords | 高血圧 / TSC遺伝子 / NKCC2遺伝子 / 食塩感受性高血圧モデルラット / 核酸医薬 / HVJ-liposome法 / 遺伝子治療 / 分子治療 |
Research Abstract |
高血圧症発症の分子メカニズムには多因子が複雑に関与しており未だ解明されておらず、詳細な分子機構の解明とそれに基づく新たな分子療法の開発が期待されている。本研究では遠位尿細管におけるナトリウムチャンネル、Na-Cl Cotransporter(Thiazide Sensitive Cotranporter=TSC)遺伝子・Sodium/Potassium/Chloride Transporter(NKCC2)遺伝子に注目している。同遺伝子は遠位尿細管で作用しており、平成16年度は腎臓遠位尿細管への遺伝子導入システムの確立を検討した。具体的には、アンチセンスによる遺伝子発現阻害による高血圧調整を最終ゴールにしており、核酸医薬の導入について検討した。 FITCでラベルしたオリゴヌクレオチドをnakedタイプで、挿入したカテーテルを用いて腎動脈から動注した。これまでの検討から糸球体へ導入しうることはわかっているが、今回の検討では、遠位尿細管での明らかなFITC発色は認められず、導入を確認できなかった。さらにHVJ-envelope法を用いた同アプローチにおいてもFITC発色を遠位尿細管で確認できず、ベクターを用いても動注のアプローチでは困難であった。オリゴヌクレオチドのサイズあるいはチャージの問題で、糸球体からろ過されることは困難であると予想された。導入システムを改善する必要があり、膀胱へカテーテルを挿入し、逆行性に遠位尿細管へ導入するアプローチを現在検討中である。
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