2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659227
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 秀直 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80281806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢部 一郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60372273)
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Keywords | 脊髄小脳変性症 / 多系統萎縮症 / 発症機序 / 神経難病 |
Research Abstract |
厚生労働省難治性疾患克服研究事業「運動失調に関する調査及び病態機序に関する研究」班による全国統計によると、我が国の脊髄小脳変性症は70%が非遺伝性疾患であり、残り30%が遺伝性疾患により構成されていると推定される。非遺伝性脊髄小脳変性症の多くは多系統萎縮症(multiple system atrophy ; MSA)であり、一部が皮質性小脳萎縮症(cortical cerebellar atrophy ; CCA)である。MSAの診断は、国際的にはGilmanらにより提唱されたconsensus criteriaにより行われている。そこで我々は、MSAと臨床診断された100例について初発病型および経過中の病型変化を検討した。経過観察期間中の病型分類では小脳症状が前景に出る病型MSA-Cは88%、パーキンソニズムが前景となる病型MSA-Pは12%であった。対象の中で、自律神経障害で初発したものが18%、小脳性運動失調で初発したものが65%、パーキンソニズムで初発したものが6%であった。欧米例の検討ではMSA-Pが過半数を占めることが指摘されており、今回の結果と異なっている。この原因が診断基準に由来しているのか、あるいは対象の遺伝的背景を反映しているなどの可能性があり、今後の検討課題である。本年度の検討結果は国際学会で発表した。来年度も臨床的な検討を継続し、かつ発症素因解析にむけて資料集積を行う予定である。
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