2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインチップを用いた多発性硬化症髄液バイオマーカーの検索
Project/Area Number |
16659228
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
糸山 泰人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30136428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 一郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50333810)
藤原 一男 東北大学, 病院・助教授 (70280873)
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Keywords | 多発性硬化症 / プロテインチップ / プロテオミクス / 髄液 / 蛋白質 / SELDI-TOF |
Research Abstract |
多発性硬化症(multiple sclerosis : MS)の髄液における特異的蛋白発現の解析を行い、対照と比較解析した。対象は活動期のオリゴクローナルバンド陽性の再発寛解型の通常型MS患者4名(男性2例、女性2例))および対照として心身症患者4例(女性4例)。髄液採取後直ちに氷冷し、遠心処理した後-80度にて保存中の検体を用いた。 髄液蛋白の解析はサイファージェン社製のプロテインチップシステムを用い、すべてそのマニュアルに従って操作した。カラムクロマトグラフィー担体と同様の性質を有する4種類のチップ(陰イオン交換基、陽イオン交換基、逆相基、金属イオン固定基)上に髄液3〜5μlを反応させ、髄液中の蛋白質をチップ表面に捕捉した。陰および陽イオン交換チップは各々洗浄条件をアルカリ性、中性、酸性の3条件行い、逆相チップでは洗浄液であるアセトニトリル溶液の濃度を3種類用い、金属イオンチップは金属イオンに銅およびニッケルを用いた。マトリックス(エネルギー吸収)分子は高分子と低分子蛋白の解析に各々適した2種類を用いた。以上の22種類の異なる条件でチップ表面上に捕捉された蛋白を飛行時間型質量分析計(TOF-MS)であるプロテインチップリーダーで測定しし、MSと対照で発現に差のある蛋白質の分子量を専用のアプリケーションソフトウェアで解析した。 MS群と対照群で発現に差を認めた蛋白で主なものは、(1)陰イオン交換チップにおける分子量約40300Daの蛋白、(2)陽イオン交換チップにおける約12560Da、14550Da、33400Da、40300Da、66400Daの蛋白、(3)銅イオン固定チップにおける約7680Daの蛋白、(4)ニッケル固定チップにおける約3800Da、12560Daの蛋白、(5)逆相チップにおける約4180Da、11780Da、11980Da、12560Daの蛋白であった。
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Research Products
(1 results)