2004 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍抑制因子p53活性化によるインスリン抵抗性発症の新しい分子機構の解明
Project/Area Number |
16659237
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 信博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40200729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島野 仁 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20251241)
曽根 博仁 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30312846)
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Keywords | インスリン抵抗性 / 肥満 / p53 / 脂肪細胞 / 腫瘍抑制因子 / ストレス応答 |
Research Abstract |
日本人の主要死因である動脈硬化性疾患の危険因子である糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病は、遺伝素因とともに生活習慣の欧米化に起因する肥満やインスリン抵抗性を基礎として発症する。DNAチップによりObマウスなどの肥満脂肪組織において腫瘍抑制因子であるp53の発現が亢進していることを見い出し、さらにp53がsterol regulatory element-binding Protein-1(SREBP-1)や脂肪合成系諸酵素の抑制に関与していることをP53欠損マウスを用いて明らかにした。すなわち、P53が脂肪細胞における脂肪蓄積の抑制機構として重要な役割を果たしていることを見出した。さらにインスリン抵抗性とP53の活性化について、以下のような機構を想定し、インスリン抵抗性をストレス応答という観点から解明しようとしている。(1)P53は細胞増殖に抑制的に働くことから、PI3-kinaseやMAP kinaseなど細胞増殖と深い関わりのあるインスリンシグナル伝達経路に拮抗的に作用して、インスリン抵抗性を惹起する機構。(2)脂肪細胞におけるP53の活性化がアディポサイトカインの発現促進または抑制を生じ、それによって骨格筋や肝臓でのインスリン抵抗性を惹起する機構。これらの作業仮説を遺伝子改変動物を作成して実証したいと考え、脂肪細胞におけるp53の過剰発現がもたらす影響をトランスジェニックマウスを作製することによって解析している。
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Research Products
(6 results)