2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659243
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
益崎 裕章 京都大学, 医学研究科, 助手 (00291899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 宏司 京都大学, 医学研究科, 助手 (00263088)
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Keywords | 脂肪酸 / インスリン / グルコース応答性インスリン分泌 / GPCR / 受容体 / GPR40 / 糖尿病 / β細胞 |
Research Abstract |
新規膜型脂肪酸受容体、GPR40のメタボリック症候群における病態的意義の解明と新規治療法の開発研究を進めた。(1)種々のマウス、ラット病態モデルにおけるGPR40の発現体内分布をReal time PCR法で検討した結果、GPR40は種属を越えて膵島β細胞に高発現していること、3種類の遺伝性肥満モデルマウス、ラット膵島におけるGPR40発現濃度は対照野生型動物に比較し、いずれも著明に低下していることが明らかとなった。このようなGPR40発現の明らかな低下は膵島に特異的な現象であり、低濃度ながらGPR40mRNAが発現している他の臓器(小腸や中枢神経系など)ではこのような差異は観察されなかった。また、ラット単離膵島培養系において高グルコースの培養条件がGPR40遺伝子発現を誘導することが明らかとなった。(2)ヒトにおけるGPR40の発現や機能的意義を解明する目的で膵頭十二指腸合併切除術など、膵臓癌外科手術時に得られた膵臓組織を試料としてGPR40発現を検討した結果、GPR40遺伝子発現は全膵組織に比較し、単離膵島において20倍以上に高濃度に発現しており、インスリン産生腫瘍(インスリノーマ)において非常に高濃度に発現していた。他の膵島腫瘍(ガストリノーマ、グルカゴノーマ、非機能性腫瘍など)組織ではGPR40発現はまったく検出されなかったことからGPR40はヒトにおいても膵β細胞に極めて特異的に発現していることが示唆された。
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Research Products
(6 results)