2004 Fiscal Year Annual Research Report
造毛器腫瘍における抗アポトーシス分子アナモルシンの役割
Project/Area Number |
16659255
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松村 到 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00294083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
水木 満佐央 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80283761)
柴山 浩彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60346202)
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Keywords | アナモルシン / 造血器腫瘍 / アポトーシス / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
我々が単離したアナモルシンは種々のサイトカイン刺激によってRasシグナルを介してその発現が誘導される。アナモルシンをサイトカイン依存性の細胞株に発現させるとサイトカイン除去によるアポトーシスに抵抗となる。我々は本研究において造血器腫瘍におけるアナモルシンの役割を検討することにした。 約200例の造血器腫瘍患者の腫瘍細胞よりRNAを抽出し、Real time PCR法を用いアナモルシンmRNAの発現解析を行った。その結果、正常骨髄単核球と比較して2倍から10倍発現している症例が16%、10倍以上発現している症例が17%存在した。特にCLLでアナモルシンの発現が高い傾向が認められた。更に、悪性リンパ腫症例におけるアナモルシンの発現を抗体を用いた免疫染色で解析を行った結果、アナモルシンはリンパ腫のうちでは難治性のマントル細胞リンパ腫に強く発現していることが明らかとなった。 造血器腫瘍におけるアナモルシン発現の意義を検討するために、アナモルシンを高発現する造血器腫瘍細胞株K562にアナモルシンに対するSiRNAをTet-onシステムを用いて誘導的に発現させる系を確立し、現在細胞増殖・分化・生存に及ぼす影響を分子レベルで検討中である。 また、広範な細胞において機能するCAGプロモーターを用いたアナモルシンのトランスジェニックマウスの作成が完了しており、現在いくつかのストレインにおいて腫瘍が発生するかどうか解析中である。また、これらのマウスより細胞を採取しin vitroでの機能解析を開始している。
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