2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規黄色ブドウ球菌特異的溶菌因子によるMRSA/VRSA除菌・治療法の開発
Project/Area Number |
16659265
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
松崎 茂展 高知大学, 医学部, 助教授 (00190439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大畑 雅典 高知大学, 医学部, 講師 (50263976)
上原 良雄 高知大学, 医学部付属病院, 助手 (60346723)
今井 章介 高知大学, 医学部, 教授 (60232592)
脇口 宏 高知大学, 医学部, 教授 (10116519)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌 / MRSA / VRSA / 細胞壁 / バクテリオファージ / 溶菌酵素 |
Research Abstract |
マウスの人為的黄色ブドウ球菌局所感染(鼻腔)あるいは全身感染モデルまたを用いて、φMR11リシンの除菌効果および安全性を検討した。またリシンの高活性保存法の検討を行なった。 (1)MRSA代表株について鼻腔に定着させるために必要な接種方法および接種菌量を検討した。接種菌は、常在菌との識別の為ストレプトマイシン耐性マーカーを賦与したMRSA-STR株を使用した。コロニーカウントは、200μg/mlストレプトマイシン添加ブレインハートインフージョン培地を使用して行なった。 (2)マウス鼻腔にMRSA-STR(2×10^9)を接種し、3日後定着を確認後、バッファー(対照)あるいはφMR11リシン(450U)を鼻腔内に滴下した。6時間後に鼻部を摘出し、鼻腔内の生残MRSA-STR数を計測した。その結果、φMR11リシン処理群において生残菌数は激減し、20-30%マウスにおいては完全徐菌が認められた。 (3)致死量(5×10^9)のMRSA-STRをマウス腹腔内に接種し、その後30分までにφMR11リシン(500U)を腹腔内投与すると生存率が100%、60分後でも60%に上昇し、φMR11リシン投与が全身感染症に対しても有効である可能性が示された。 (4)リシン(500U)の単独多量投与(経鼻、腹腔内投与)は、マウスの生存率、全身状態、行動性に全く影響を与えず、低副作用と考えられた。 (5)精製リシンは、室温において少なくとも10日以上安定であり、また親水性軟膏基剤や各種保湿剤と混合した場合でも、活性の低下は全く認められなかった。また、凍結乾燥を行ない10日後にバッファーに再可溶化しても、活性に変化は認められなかった。
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Research Products
(5 results)