2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫腫瘍抗原に対する人工免疫グロブリンレセプターを利用した新規免疫療法の開発
Project/Area Number |
16659269
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土屋 滋 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30124605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹原 洋二 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (60372314)
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Keywords | 神経芽細胞腫 / 細胞障害性T細胞 / 人工抗原提示細胞 |
Research Abstract |
神経芽細胞腫は、化学療法に極めて抵抗性の小児固形腫瘍であり、抗癌化学療法は、正に出口の見えない閉塞状況といっても良い状況にある疾患である。新たな発想による新たな治療法確立が求められている。我々はこの小児神経芽腫に対し、汎用性の人工抗原提示細胞aAPCを使用した細胞療法の可能性を探るために本研究を企画した。平成16年度の研究結果について報告する。 1)従来細胞障害活性の検出はCrリリース法によっていた。実験を進めていく上での簡便性を優先させるために、まずフローサイトメーター法による細胞障害活性定量法の確立を行った。EBVにより樹立されたBリンパ芽球様細胞株と自己末梢血単核球をIL-2存在下に共培養する事により、細胞障害性T細胞を誘導した。この系にPKH26で染色したBLCLを加え、BLCL中のcaspase3活性化をフローサイトメーターで測定することで、クロミウムリリースによらないCTL活性の測定法を確立した。 2)神経芽細胞腫を標的とする抗体として、当初抗ジアシアロガングリオシド抗体GD2を考えていたが、それに加えて我々が作成したB2D単クローン抗体を用いることとした。この抗体はTALLA-1を認識する抗体であり、T細胞白血病細胞と神経芽腫細胞に特異的に発現している抗原を認識する。汎用性の観点、および、われわれが作成した単クローン抗体であることからこの抗体を利用することとし、発現のあるT細胞白血病および神経芽腫細胞株の確認を行った。 3)人工抗原提示細胞としては、T細胞活性化に係わる補助分子CD28と抗体を共結合させた免疫磁気ビーズを用いるか、あるいはCD28とHLA-Ig複合体を結合させた磁気ビーズを当面使用する。前者の準備はCD28抗体を精製すれば終了し、後者については、Johns Hopkins大学から分与されたベクターを用い、HLA-A24特異的なHLA-Ig分子を作成中である。
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Research Products
(6 results)