2004 Fiscal Year Annual Research Report
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16659272
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
滝 智彦 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (50322053)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 白血病 / 染色体転座 / MLL遺伝子 / ゲノム / データベース / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
疾患特異的な染色体転座は白血病や骨軟部肉腫で多く見られ、同じ疾患でも形成される染色体転座により予後が異なるなど、悪性腫瘍の形成に非常に重要な役割を果たしていると考えられる。これまで我々は11q23転座、11p15転座、12p13転座など多くの転座型白血病から新しい転座関連遺伝子を単離し、さらにゲノムレベルでの切断点を同定してきた。今年度はさらにt(7;11;19;22)を有する急性単球性白血病においてMLL遺伝子の新しい転座相手遺伝子として染色体19p13.2-13.3に座位するMYO1F遺伝子を同定し、MLL-MYO1Fのゲノムの切断点も同定した。MYO1Fは、ENL, ELL, EENについで19p13に座位する4つ目のMLLの転座相手遺伝子であり、このような非常に狭い領域の異なる遺伝子に転座の切断点が集中していることは興味深く、これらに共通する転座を起こしやすいゲノムの構造が予想される。現在われわれが所有するMLL-ENL、MLL-ELLを有する検体のゲノムの切断点の同定を行っている。またGenBankなどのデータベースから、MLL陽性白血病を中心にゲノムの切断点の配列の収集を行い、われわれのデータと合わせて解析を行っている。現在t(4;11)/MLL-AF4 150例、t(11;19)/MLL-ENL 14例、t(9;11)/MLL-AF9 21例、その他30例のゲノムの切断点の配列を収集し、これまで一部の転座で報告されているトポイソメラーゼIIの認識配列や、A1u配列、VDJ recombinaseが認識するnonamer-heptamer配列の有無について検討している。さらにこれまで知られていないコンセンサス配列の有無についても検討を進めている。
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Research Products
(5 results)