2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659272
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
滝 智彦 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (50322053)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 白血病 / 染色体転座 / ゲノム / データベース / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
白血病でみられるt(11;19)(q23;p13)では従来11q23のMLL遺伝子の転座相手遺伝子が3つ同定されていた。19p13.1に座位するELL、19p13.3に座位するENLとEENの3つで、我々は最近、この他に複雑な染色体転座を有する乳児急性単球性白血病において、MLLの新しい転座相手遺伝子として19p13.2-p13.3に座位するMYO1F遺伝子を同定した。19p13には最近さらにMLLの相手としてFLJ10374とASAH遺伝子が同定され、さらに悪性の固形腫瘍においてみられるt(15;19)(q13;p13.1)からBRD4-NUT融合遺伝子を形成するBRD4遺伝子が同定された。このことから19p13領域は染色体転座に関連する領域としてその形成メカニズムを探るうえで非常に重要な領域である。我々はこれまでに28例の19p13に切断点を有する白血病検体を収集した。このうち1例は染色体分析では19p13の異常は指摘されていなかったが、RT-PCRの結果MLL-ENLが判明した。残りの27例ではMLL-ELLが10例、MLL-ENLが12例、MLL-MYO1Fが1例で検出されたが、AML 3例、ALL 1例ではこれまで既知のキメラ遺伝子は同定できていない。現在他のさまざまな場所での融合を想定して解析を行っているが、未知のキメラ遺伝子の可能性も考えられる。キメラ遺伝子が同定できた症例については現在ゲノムの切断点の同定を行っており、データベースからゲノム情報を収集済みのMLL-ENL 14例の切断点の配列とあわせて、切断点近傍に存在すると想定される転座に関連する配列の同定を試みている。
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Research Products
(7 results)