2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659279
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原 寿郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40150445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 佳樹 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70284528)
村田 正治 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30304744)
酒井 康成 九州大学, 大学病院, 助手
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Keywords | ナノ粒子 / スプライシング / 遺伝子修復 / 核移行シグナル |
Research Abstract |
ナノ粒子の遺伝子治療への応用を目的に,平成16年度よりナノ粒子を用いた遺伝子発現の介入効果について基礎的実験を開始した.陽性荷電ペプチド側鎖と中性ポリマーを様々な量比で混合し,DNAキャリアーとして機能する陽性荷電ポリマーを化学的に合成した.ポリマーとDNAの複合体(=ナノ粒子)を細胞に導入し,(1)核酸の細胞内導入,(2)導入核酸の細胞核内移行,(3)スプライシング反応を含む遺伝子発現への介入効果について解析した.これまでの成果として,合成ポリマーはプラスミドDNAおよびオリゴヌクレオチドを細胞内に効率よく取り込ませるキャリアーとして機能することを明らかにした.しかしながら細胞内でポリマー-DNA複合体が解離せず,アンチセンス効果は十分に認められなかったため,pH依存性にDNA親和性が変化するポリマーを新規に合成した.確定実験中であるが,細胞内でアンチセンス(スプライシング介入効果)が観察され,新規合成ポリマーは市販のリポフェクション試薬と同程度のDNAキャリアーとして機能する可能性が示唆された. 平成16年度発表論文として,原らは小児疾患の遺伝的背景に関する臨床研究を継続しており,川崎病(古野ら,仮屋園ら)や気管支喘息(木村ら)の新たな遺伝的素因および分子病態を明らかにし,国際誌に発表した.また母乳細胞中にオステオポンチンが高く発現することを発見し,その生理学的な重要性について報告した(長友ら).共同研究者の片山,村田らはナノ技術の医学応用研究に取り組んでおり,リン酸化基質を応用した新たな遺伝子導入材料(河村ら)や質量分析に有用な化学修飾法(園田ら)について国際誌に発表した. これらの研究成果を踏まえて,次年度以降はさらにナノ粒子を用いた標的遺伝子の発現およびスプライシング反応への効率的な介入法の開発を進める予定である.
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Research Products
(6 results)