2004 Fiscal Year Annual Research Report
プラダー・ウィリー症候群の摂食亢進におけるグレリンの役割
Project/Area Number |
16659283
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
児島 将康 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (20202062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 芳寛 久留米大学, 助手 (20352122)
佐藤 貴弘 久留米大学, 助手 (50368883)
松石 豊次郎 久留米大学, 医学部, 教授 (60157237)
岡本 伸彦 大阪府母子保健総合医療センター, 企画調査部, 参与
永井 敏郎 独協医科大学, 越谷病院, 教授 (90296129)
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Keywords | グレリン / Prader-Willi症候群 / 摂食調節 / 肥満 / 脂肪酸 |
Research Abstract |
プラダー・ウィリー症候群(PWS)は筋力低下、精神・神経・運動の遅れ、摂食亢進・肥満などを呈する遺伝子疾患で、15番染色体q11-13の異常が原因の多くであることが知られている。PWS患者の食欲は非常に強く、摂食亢進・肥満によって糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病になりやすく、PWS患者に深刻な影響を与えている。一方、申請者が発見したグレリンは強力な摂食亢進作用を有するペプチド・ホルモンであり、PWSでは血中グレリンが著しく上昇していることから、PWSの摂食亢進はグレリンの作用によるのではないかと考えられている。このような背景のもと、本研究ではPWS患者の成長にともなって血中グレリン濃度がどのように変化するのか、またPWS患者での血中グレリン濃度上昇はどのような仕組みで起こるのか検討した。 1、PWS患者の成長にともなう血中グレリン濃度の変化 PWS患者では2〜3歳ごろから過食が始まる。そこで各年齢ごとのPWS患者の血液サンプルのグレリン濃度を測定した結果、かなり早期(1歳前後)から血中グレリン濃度の高値が認められた。このことは食と血中グレリン濃度とは直接関連がないことを示している。今後、持続的なグレリン濃度による脱感作があるのかどうかを検討する必要性がある。 2、グレリン遺伝子の転写調節 ヒトのグレリン遺伝子プロモーター領域とLuciferaseを結合し、グレリン産生の甲状腺由来TT細胞でのプロモーター活性を調べた。その結果、グレリンのプロモーター領域にはグレリン遺伝子発現を上昇させる領域と、抑制する領域が存在することがわかった。現在、プロモーター領域に結合する転写因子の検索を行っており、グレリンの転写制御に関係しているいくつかの因子を得て解析中である。
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Research Products
(8 results)