2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳室周囲白質軟化症モデルマウスに対するシュワン細胞移植の検討
Project/Area Number |
16659284
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河井 昌彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (00283599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平家 俊男 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90190173)
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Keywords | 脳室周囲白質軟化症 / lbotenate / 再生医学 |
Research Abstract |
早産児に好発し、後に精神運動発育遅延を来すが未だ治療法の無いPVL(脳室周囲白質軟化症)に対して再生医学を生かした治療を目指して現在我々は研究を行なっている。 まず、Pierre Gressensらの報告している手法に従い、glutamate analogであるlbotenateを用いてPVLモデルマウスの作成を計画した。具体的には生後5日のマウスにエーテル麻酔をかけ、ハミルトンシリンジを用いて脳室周囲にlbotenateを注入する。そして生後10日、PFAにて心内環流後に脳を取り出し、5日間ホルマリン固定する。その後30%sucroseで脱水和し、冠状断の凍結切片を作成する。標本はH-E染色後、光学顕微鏡にてcystの形成を確認する。ここまでの手技を確実に行えるよう検討した結果、lbotenateは報告の半量の5μgで投与すると1時間以内に痙攣を生じ、組織ではcyst形成がみられた。報告の量では、痙攣の後死亡する例がみられた。 次に、cystを経時的に評価する手法を考えた。組織標本を作成するにはその時点で殺戮し、その後の評価が出来なくなるためである。マウス脳の画像評価としてはmicro CT, functional MRIなどが報告されているが、当院動物実験施設では利用できず、超音波検査による評価を試みることとした。15Mhzの最小のプローベにてcystの描出が可能であり、lbotenate投与後の経時的な変化をどの日齢まで追えるか検討中である。また、微細な行動異常の出現がないか、今後行動解析にかけてみたいとも考えている。そして、目標の再生治療の前にcyst周囲の神経幹細胞の経時的な変化を見ることを計画している。具体的にはPVLモデルマウスと正常マウスの双方の全脳あるいは脳室周囲を日齢毎に取り出し、nestin染色してその経時的な変化を比較したいと考え、只今準備中である。
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