2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16659288
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宇谷 厚志 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10292707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野水 基義 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00311522)
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Keywords | ラミニン |
Research Abstract |
本研究は、我々が発見してきた主に皮膚組織に発現しているラミニンα3鎖由来の活性ペプチドをキトサン膜などの人工材料と共に使用することにより、皮膚組織特異的に作用する安全で機能的な人工基底膜を創製し、従来の治療に抵抗する下腿潰瘍、瘢痕部潰瘍、褥創など難治性皮膚潰瘍に対して臨床応用可能な医用生体材料の開発を目的としている。 ラミニンα3鎖由来の活性ペプチドをSH基を介して膜に結合させ、ペプチド-キトサン膜を調製した。 ペプチド-キトサン膜をマウスの皮膚欠損層にペプチド-キトサン膜を貼付し、1週間後の潰瘍治癒促進を、キトサン膜のみ、何もなしの群で、それぞれ5匹のマウスを用いて実験した。この実験では、この人工膜は、キトサン膜と比べて有意に創傷治癒を促進することは無かった。 そのため、現在は、キトサン膜が乾燥しやすい欠点を持つため、wet dressingを併用すべくポリマー材料で、ペプチド溶液投与後に傷を覆う方法を検討している。 皮膚潰瘍は、浸出液に富み、そのため被覆材が容易に剥がれてしまうことが、実用に必須条件となる。 このポリマーは、市販はされてないが、共同研究の形で開発中のもので、吸水性に富む材質で、しかも接着性に優れており皮膚の創傷被覆材の必要条件は満たしていると考えられる。 この方法なら、乾燥による失活をさけることができるため、有用な方法と考えられる。現在濃度依存性の検討を行っている段階である。
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