2005 Fiscal Year Annual Research Report
表面プラズモン共鳴センサーを用いた角化細胞膜活動のナノスケール解析
Project/Area Number |
16659294
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
秀 道広 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (50284188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀好 良一 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (40263678)
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Keywords | 表面プラズモン共鳴 / EGF / シグナル / RBL-2H3 / 細胞内情報伝達 / 癌 / センサー / SPR |
Research Abstract |
昨年度までの研究で、角化細胞をEGFで刺激すると、まず共鳴角の増大(上向きシグナル)、減少(下向きシグナル)、そして再び増大する変化が長く続くことを明らかにした。今年度は複数の癌化上皮細胞を用い、EGF受容体のアミノ酸配列は正常であるにも関わらず、正常細胞でみられるEGF刺激に対する細胞応答は、完全に再現できるものと、一部しか見られないものがあることが判明した。そこで本来EGF受容体を発現していないCHO細胞に、正常および種々の点変異を導入したEGF受容体をそれぞれトランスフェクションにより発現させたところ、正常EGF受容体では上皮細胞の場合と同様の3相性のSPRシグナルが得られ、ATP結合部位を失活させたEGF受容体ではすべてのSPRシグナルが消失した。この系は、EGF受容体の細胞内情報伝達機構とSPRシグナルの関係を分子レベルで明らかにする手段として有用であると考えられる。 また生細胞を刺激すると、細胞膜のラッフリング、付着面積の増大化などの変化が起こる。そこでラット好塩基性白血病細胞(RBL-2H3細胞)を用い、単位面積あたりの細胞数とSPRの共鳴角の関係、および細胞刺激した際に起こる付着面積の増加率を求め、生細胞を刺激して得られるSPRシグナルは単なる細胞付着面積の増加では説明しきれないことを明らかにした。またアクチン重合阻害剤を用い、アクチンフィラメントの重合を止めた状態でもなおSPRシグナルは生じることを証明した。さらにヒト好塩基球には、抗原特異的IgEで感作され、そのIgEに対する特異抗原で刺激しても脱顆粒に至らないものがある(ノンレスポンダー)があるが、SPRセンサーを用いるとそのような好塩基球の反応もリアルタイムで検出できることを実証した。
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Research Products
(1 results)