2004 Fiscal Year Annual Research Report
内皮系超低増殖細胞によるライ菌の長期体外培養法の樹立
Project/Area Number |
16659296
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
増澤 真実子 北里大学, 医学部, 助手 (20365084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増澤 幹男 北里大学, 医学部, 助教授 (30129267)
藤村 響男 北里大学, 医学部, 講師 (50209087)
與儀 ヤス子 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター・生体防御第2研究室, 室長 (10210600)
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Keywords | ライ菌 / 超低増殖細胞 / ヒト血管肉腫 / Thai53株 |
Research Abstract |
我々は以下の方法でライ菌寄生媒体となる超低増殖細胞の樹立に成功した。(1)SCIDマウス皮下可植性ヒト血管肉腫WB-SCIDより非酵素処理にて細胞を採取した。(2)採取細胞をヒト血管肉腫細胞用培地であるDMEM+10%FCS+マウス血管肉腫細胞株ISOS-1)培養上清50%添加で37℃にて初代培養した。(3)1週間後、0.25%Trypsin-EDTAで10分処理し、剥離細胞を除去し培養皿に残存した細胞のみを培養継続した。(4)培養約2ヵ月後、細胞はTypsin-EDTA20分処理+ピペッティングにて剥離可能となり、継代培養し、同時に凍結保存した。 継代培養された細胞はISOS-1培養上清無添加では5日以内に死滅し、50%添加条件でのdoubling timeは約70時間で、コンフルエントに近づくと死滅することなく増殖は徐々に低下しdoubling timeは1000時間以上となった。20%添加条件にすると細胞密度は半減し、増殖率はさらに低下した。20%添加条件でライ菌の好培養温度とされる34℃でも培養が可能であった。細胞の性状はマウス系内皮マーカー(マウスCD31、GSA-1)陽性で、染色体数は77前後、すべてマウス型である。またヒト/マウス両classI抗原を同時発現する。性状は長さ約100-250mmの紐状細胞である。電顕所見では細胞小器官にきわめて富んでいる。基本的には単層増殖する。 ライ菌の感染実験については、34℃・CO_25%の条件下でハンセン病研究センターより分与されたThai53株ライ菌を混合感染させたところ、抗酸菌染色により細胞内に多数のライ菌が取り込まれていることが確認され、また、電顕によっても細胞質内に菌体要素を認めた。ライ菌感染した超低増殖細胞は5ヶ月経過してなお生存中である。
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