2004 Fiscal Year Annual Research Report
不安の治療における前頭葉-扁桃体神経回路の役割の研究
Project/Area Number |
16659299
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小山 司 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10113557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 猛 北海道大学, 病院・講師 (70250438)
中川 伸 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60360905)
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Keywords | 恐怖条件付けストレス / 不安 / 扁桃体 / セロトニン(S-HT) / セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) / c-Fos / ラット |
Research Abstract |
ラットにおける不安の動物モデルである恐怖条件付けストレス(CFS)を用いて、抗不安作用を有するセロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)であるcitalopramの投与が、CFSによって誘導される最早期発現遺伝子産物c-Fosの発現に及ぼす影響を検討した。CFSによって皮質および皮質下の広汎な部位でc-Fosの発現が増加した。そして、Citalopram 10および30mg/kgの投与により、二次運動野II/III層、一次体性感覚野II/III層、および扁桃体基底外側核で、CFSによって増加したc-Fosの発現が抑制されることが確認された。 CFSでは、無条件刺激(電撃ストレス)を提示することなく、条件刺激(電撃を加えずにショック箱へ入れる操作)のみをくり返し提示することにより、条件反応(すくみ行動)の出現が減少する。これがCFSの消去(extinction)である。消去の過程に伴ってすくみ行動が減少すると共に、扁桃体基底外側核でのc-Fos発現が減少することが確認された。 以上の結果より、扁桃体基底外側核でのc-Fos発現は不安・恐怖の情動と関連しており、SSRIの抗不安作用の作用部位が扁桃体基底外側核であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)