2004 Fiscal Year Annual Research Report
白血病モデルマウスに対する分子標的療法の遺伝子発現光画像法によるモニタリング
Project/Area Number |
16659314
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 優介 東京大学, 医科学研究所, 講師 (40232566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 学 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (10174096)
東條 有伸 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00211681)
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Keywords | ルシフェラーゼ / 遺伝子発現画像法 / 生体発光画像法 / 白血病 / 分子標的療法 / マウス |
Research Abstract |
ルシフェラーゼ(Luc)安定発現白血病細胞株を樹立するため、ホタルLuc遺伝子を発現するレトロウィルスベクターをヒト急性骨髄性白血病細胞株に感染させ、G418を用いて安定発現細胞を選択した。感染後早期には良好なLuc発現が得られたものの、発現は経時的に減弱し、治療モニタリングに適さないと判断された。 同じレトロウィルスベクターをインターロイキン3依存性マウスB前駆細胞株に感染させ、G418を用いて安定発現細胞を選択した。得られたLuc発現細胞および親細胞に対して、さらに野生型もしくはキナーゼ変異型のBCR-ABL遺伝子を導入してからクローニングを行い、Luc発現急性リンパ性白血病モデル細胞株を樹立した。 Luc遺伝子を導入した細胞株では、長期間の安定発現が得られた。いずれの細胞株でもインターロイキン3非依存性の細胞増殖がみられ、Luc遺伝子の有無で増殖速度に違いはみられなかった。野生型BCR-ABL遺伝子を導入した細胞株と比較し、キナーゼ変異型遺伝子を導入した細胞株では、イマチニブ感受性が低下していた。細胞数とLuc発現量は高い正相関を示したが、細胞増殖を生細胞数とLuc発現で追跡すると、増殖活性低下時に1細胞当たりのLuc発現は低下し、生細胞数とLuc発現強度に乖離を生じた。また、イマチニブによる低下は、生細胞数よりもLuc発現について、速やかにまた強く生じた。Luc発現細胞をマウスに皮下注または静注し、高感度CCDカメラで細胞分布を体外から画像化できることを確認した。
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