2005 Fiscal Year Annual Research Report
白血病モデルマウスに対する分子標的療法の遺伝子発現光画像法によるモニタリング
Project/Area Number |
16659314
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 優介 東京大学, 医科学研究所, 講師 (40232566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 学 筑波大学, 人間総合科学研究所, 教授 (10174096)
東條 有伸 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00211681)
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Keywords | ルシフェラーゼ / 遺伝子発現光画像法 / 生体発光画像法 / 白血病 / 分子標的療法 / マウス |
Research Abstract |
平成16年度に樹立したルシフェララーゼ安定発現白血病モデル細胞を用いて白血病モデルマウスを作成した。野生型BALB/cマウスに皮下接種すると細胞は生着しなかったが、BALB/cヌードマウスに皮下接種すると局所で増殖した。BALB/cヌードマウスに様々な数の細胞を静注して生体発光画像法で追跡したところ、肝、脾、骨髄に対応する部位に増殖が観察され、白血病モデル動物として使用可能なことが示唆された。この実験の結果に基づいて、至適静注細胞数を決定した。また、基質であるルシフェリンを投与してからの時間と発光量の関係、撮像時のマウスの姿勢と収集される信号の関係、バックグラウンド信号の量と分布を検討し、撮像方法・データ処理方法を決定した。予備実験で決定された方法で、白血病モデルマウスの病変進行を生体発光画像法を用いて同一マウスで追跡したところ、いずれのマウスでも発光信号量は経時的に増加した。信号増加の速さ、静注後の生存期間には大きな個体差があったが、死亡時の信号量はほぼ同等で、信号量が疾患の重篤度を反映することが示唆された。また、細胞静注後の様々な時点で、生体発光画像法で撮像した後に速やかに臓器を摘出して撮像し、病変進行を臓器毎に評価した。肝、脾、骨髄における増殖が証明され、各臓器の信号は経時的に増強し、生きたマウスを撮像して得られた信号量とよく相関した。肝、脾の湿重量も経時的に増大し、摘出後の信号強度と相関した。また、臓器毎の評価にあたり、摘出臓器の発光には空気との接触が必要であり、骨髄中細胞を評価するには骨破壊が必要であることを示した。進行白血病モデルマウスに対するイマチニブ治療では有意の信号低下はみられず、効果を得るにはより軽症の時点で治療を開始する必要があると考えられた。
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Research Products
(2 results)