2004 Fiscal Year Annual Research Report
テーラーメード分子標的放射線治療の実現に向けた四次元治療計画評価法の開発
Project/Area Number |
16659316
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
溝脇 尚志 京都大学, 医学研究科, 講師 (90314210)
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Keywords | 強度変調放射線治療(IMRT) / テーラーメイド放射線治療 / 線量分布 / 臓器移動 |
Research Abstract |
根治的放射線治療が施行された前立腺癌例のCTデータセット(5例)を用い、分子標的ターゲットを設定し、テーラーメイド分子標的IMRT治療計画を立案して、どの程度の線量集中が実現可能かについて検討した。その結果、現有の治療装置(Varian社製Clinac2300-C)および治療計画装置(Varian社製Eclipse)を使用して、分子標的(主腫瘍)部に79.8Gy_38fr._2.1Gyfr.(α_β値=2で計算すると2.0Gyfr.換算で約82Gy相当)、その他の計画標的体積に76Gy/38fr./2.0Gyfr.の同時ブーストIMRTプランの立案が可能であることを立証した。 一方、患者のセットアップエラーや臓器の内部移動をシミュレーションするための可動ファントムシステムについては、米国医学物理学会等での調査を含めた検討の結果、既存のIMRT-QA用ファントムの流用が困難であることが判明たため、ABS製の専用ファントムを新たに設計の上製作した。また、移動システムについては、別件の研究費によりコンピュータ制御可能なシステムを入手できたため、ファントムの装着用アッタチメントの製作や制御用ハードディスクの追加等によって本研究目的に即した改良を行い、稼動実験を行って設定どおり稼動することを確認した。 次いで、上記のファントムを移動システムに装着し、通常のIMRT治療計画に基づいて静止状態で照射を行って設計どおり目的の線量分布がフィルム法によって得られることを確認した。さらに、試験的にファントムを移動下で撮影し、静止時と移動時のアイソセンターが設計どおり一致することを確認し、試験的に食道癌IMRTプランに対する呼吸移動の影響を評価した。その結果、当該IMRTプランは、呼吸移動が線量分布に与える影響は軽微であり、臨床使用に大きな問題がないことが確かめられた。
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