2004 Fiscal Year Annual Research Report
テロメラーゼ阻害活性を利用した内用放射線治療薬剤の開発
Project/Area Number |
16659320
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 稔 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (70101178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 文彦 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (40253471)
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Keywords | がん / 内用放射線治療 / テロメラーゼ / 放射性ヨウ素 |
Research Abstract |
テロメラーゼ阻害活性能力、および生体内分布、インビトロにおける癌細胞の殺傷性等について検討することを目的に、特異性の高いテロメラーゼ阻害剤として報告されている2-[(E)-3-naphtalen-2-yl-but-2-enoylamino]benzoic acids (BIBR1532)をリード化合物として、その誘導体に放射性ヨウ素原子を結合させた高比放射能標識分子をデザインし合成を検討した。 2-Acetonaphthoneを出発原料としてCrCl_2存在下methyl dichloroacetateと反応させ63%の収率で得たエステル体をアルカリ加水分解して脱保護し、カルボン酸体を60%の収率で得た。次にmethyl anthranilateとのアミド化反応を試みたが、種々検討したが反応は進行しなかった。 TLC解析による反応の追跡により、アミド化反応が進行しない理由として反応の基質となるカルボン酸体の不安定性が示唆されたため、緩和な条件下で効率よく進行するアミド化反応の条件が必要であった。そこで次にモデル反応の検討によって、最適なアミド化反応条件を探ることにした。 モデル反応の基質には2-naphthoic acidを用い、methyl anthranilateとの反応を、種々検討した。しかし、いずれも反応は進行しないか又は分解するのみであり、目的のアミド体の生成確認には至らなかった。Methyl anthranilateの代わりにアニリンを用いて検討したところ、DMT-MM存在下でアミド化が進行することが明らかとなった。この反応条件は緩和な条件下であるため、目的とするアミド体の反応条件に有用であると期待された。 アミド結合反応は目的化合物の骨格形成に極めて重要な過程であるため、さらに条件検討を要するが、その後の合成過程については比較的容易に達成され、その後標識合成化学の達成、基礎的評価等が遂行できると考えられる。
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